フェリーニのお気に入りの海辺の街 ー イタリアで最も華やかなビーチだった場所
1960年代、重要な映画製作者や俳優たちの伝説的な隠れ家であった”漁村”は、今や再現不可能な、最も美しい映画の舞台でもあった。
街の喧騒から離れて一息つきたいと思うのは誰もが思うもの。いつも忙しくしている映画スター などは特に。60年代当時、ローマの映画撮影所「チネチッタ」では、数多くの映画が作り出されていた。フレジェネは、イタリアを代表する映画監督フェデリコ・フェリーニのお気に入りのホリデービーチで、彼自身この街にホリデーヴィラを構えていた。もちろん、一緒に楽しんでいたのは、妻で女優のジュリエッタ・マシナ、映画監督のパオロ・パゾリーニ、そして俳優のマルチェロ・マストロヤンニなどだ。
そしてフェリーニの代表作の一つである『甘い生活』も、このフレジェネのあるビーチで撮影された。ローマの都市から車でおよそ30分。ただ静かな漁村の町であったフレジェネが一躍話題となったは、まさに彼らの登場によるものだ。
フレジェネ・ビーチはラツィオ州の海岸、フィウミチーノ市とローマ県に位置する。首都ローマの北部に住むローマ人が伝統的によく訪れる。ビーチは細長く、明るい色の細かい砂で、海は透明で浅瀬が緩やかに傾斜しており、ファミリー連れにもピッタリだ。最近では、その地の利の良さもあり、再びローマの新セレブリティに人気が高まっている。
ティレニア海に面したフレジェネは、フィウミチーノ空港の北31km、マッカレーゼ、フォセン、パッソ・オスクーロの各村の近く。ラディスポリからは24km、ローマからは42km、チヴィタヴェッキアからは55kmの距離で、最寄りの鉄道駅は、ローマ-ピサ線のマッカレーゼ-フレジェネ駅。
長く伸びるビーチ沿いには、レストランが続く。それぞれにプライベートビーチスペースを割り当てられ、レストランでご飯を食べた後、のんびりとプライベートスペースで寝そべることができる。
このビーチ沿いにあるレストランはどれもシーフードが自慢。白ワインと共に海の風を受けながら美味しいランチ。お腹がいっぱいになったらビーチで泳いでも散歩をしても気持ちが良い。
『甘い生活』ーーそんな黄金時代に思いを馳せながら、喧騒のローマを離れ、のんびりとここに並ぶレストランでワインと魚料理に舌鼓を打つのも、大人のローマの楽しみ方のひとつだ。